脾臓(ひぞう)――「地味だけど超重要」な臓器のひみつ
脾臓ってどんな臓器?
脾臓は、左上腹部、胃の外側から裏側に位置し、重さは約120gほどの小さな臓器です。
一見目立たない存在ですが、私たちの健康を支える多彩な役割を担っています。
脾臓の主な4つの役割
1. 血液の“フィルター”機能(濾過機能)
脾臓は、血液中の古くなった赤血球や変形した異常な赤血球を見分けて破壊・除去します。
この過程で赤血球の中のヘモグロビンから鉄を回収し、再利用する働きもあります。
また、血液中の細菌や異物もマクロファージ(大食細胞)によって捕捉・処理されるため、血液をきれいに保つ“浄化装置”でもあります。
2. 免疫の司令塔
脾臓は体内で最大級のリンパ器官であり、リンパ球などの免疫細胞が集まっています。
ここで免疫細胞が成熟・増殖し、病原菌や細菌と戦う抗体を作り出します。感染症から体を守るための重要な防衛拠点です。
3. 血液と血小板の“貯蔵庫”
脾臓は全血小板数の約3分の1を貯蔵しており、出血時など必要に応じて血小板を放出します。
また、血液自体も貯めておくことができ、運動時など体が酸素を多く必要とする場面で血液を送り出します。
4. 造血機能(血液を作る力)
通常、血液は骨髄で作られますが、骨髄の機能が低下したときや大量出血時には、脾臓が代わりに血液を作る“造血機能”を担います。
乳幼児期には特にこの役割が大きいとされています。
脾臓を失うとどうなる?
脾臓はなくても生きていくことは可能ですが、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるリスクがあります。
特に肺炎球菌などの感染症に注意が必要です。脾臓摘出後は予防接種が推奨されることもあります。
まとめ
脾臓は「血液のフィルター」「免疫の司令塔」「血液・血小板の貯蔵庫」「造血のバックアップ」と、地味ながらも私たちの健康を多方面から支える重要な臓器です。
普段は意識しない存在ですが、体の“縁の下の力持ち”として、毎日しっかり働いてくれています。
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